ハリドワールからデリーに向かう列車は冷房が効きすぎていて、
5時間の行程の半分くらいを、生暖かい風が舞い込むデッキで過ごした。
「もう二度と会うことはないのだろうな…」
通り過ぎる風景を見ながら、ぼんやりと思った。
重たそうに走る鉄の列車の匂が、センチメンタルにさせるのだろうか。
「記憶の片隅に、ほんの少しだけ残ってくれれば良い。」
祈るような気持で、シャッターを押した。
もう一度会えるのではないかという僅かな期待と、
もう二度と会えない予感は、愛しさへと変わっていく。
それが写真を撮る理由になっていることは、明らかだった。

旅はいつも通り過ぎるだけである。
もしかしたら人生も、そうかもしれない。​​​​​​​
Je suis content d'avoir pu te rencontrer
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Thank you!
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